~ 其の八 FUNK LATINO の巻 ~

「どこがラテンやねん」といきなりおこられそうですが、私なりに「ラテン」な臭いのするファンクを取り上げてみました。私のイメージとしてはラテンと言えばパーカッション。コンガ・ボンゴをはじめティンバレスにカウベル。そんなたくさんのパーカッションが生み出すポリリズム。リズム命のファンクバンドにパーカッションが取り入れられていったのも、当然といえば当然の流れですね。60年代末で突然消えてしまったブガルー、ラテンではないかも知れませんが、パーカッションが重要な役割を果たしラテンの臭いも含んでいた80年代ファンク、ゴーゴー。ゴーゴーも今はメインストリームの音楽ではなくなってしまいました。リズムだけで黒人音楽の最も「黒い」部分を追求した音楽は、やはり「商売」にはなりにくいのでしょうか。そんなパーカッシヴでグルーヴィな盤を取り上げてみました。

THE NITE-LITERS

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THE NITE-LITERS (70年)

まずは激重インストゥルメンタル・ファンク・バンド、ナイト・ライターズです。何曲かはボーカルの入ってる曲もあるのですが、かけ声やオカズ程度が多いので私はほとんどインスト・バンドだと思ってます。それは置いといて、これはデビュー盤なのですが、いきなり1曲目から腰にきます。グルーヴが体に染み着いてないと、テクニックがあってもこんな演奏はできないでしょうね。私はずっと、こんなのを「ジャズ・ファンク」だと思ってました。「コン・ファンク・シャン」収録、必聴盤。

JACKET

MORNING,NOON & THE NITE・LITERS (71年)

クラブ・クラシック「ケイ・ジー」収録。全体的にメローな感じになってますが、何しろリズム隊がタイトでグルーヴィなので、どんなメロディが乗ろうと決して腰抜けなメローにはなってません。5人編成のホーン・セクションもすばらしいです。

JACKET

INSTRUMENTAL DIRECTION (72年)

相変わらずのドライブする演奏で、「アフロ・ストラット」なんかはめちゃめちゃかっこいいです。あまり特徴のあるキャッチーな曲というのは少ないのですが、その分各楽器のかっこよさというのが目だって、かなり気持いいです。ギターのワウなんてほんとに気持いいです。「シャフトのテーマ」もやってます。この盤もどちらかというとおとなし目(彼等にしては)です。

JACKET

DIFERENT STROKES (72年)

映画のテーマ曲も入ってて、全体の感じもサントラのような雰囲気に仕上がってます。どのアルバムもそうなんですが、ドラムがイナタイ音でかっこいいです。この盤にはニュー・バース(ボーカル・グループの方)がフューチャーされてます。後にナイト・ライターズはニュー・バースと合体して、ファンク・グループ「ニュー・バース」になりました。新生ニュー・バースの2枚目くらいまでは、かなりナイト・ライターズの雰囲気が残ってます。

JACKET

A・NAL・Y・SIS (73年)

私は一番好きな盤なのですが、これが一番ラテンな感じです。パーカッションがかなりフューチャーされてて、グルーヴがこれまでにも増してうねってます。「セレナーデ・フォー・ア・ジャイヴ・ターキー」収録。ファーストと合わせて必聴盤です。

※ナイト・ライターズも残念ながら中古レコード店ではあまり見かけないですし、あっても高いです。ベスト盤がCDで出てます(ジャケットはファーストのものを使用)ので見つけたら買ってみてください。最近アナログの再発盤が出てるみたいです。

SENOR SOUL

JACKET

PLAYS FUNKY FAVORITES ( 年)

このグループについては詳細はわかんないです。このアルバムは、ファンキーなフルートが全面にフューチャーされてるものの、リズム隊もそんなにびしっときてませんし、ラテンなインストですが、ファンク好きは聴く必要はないのではと思います。「パタ・パタ」「悲しいうわさ」のカバーとかやってます。

JACKET

IT'S YOUR THING (69年)

こっちはうって変わって素晴しい盤です。ドラムがめちゃめちゃかっこよくなってます。何かあったんでしょうか。フルートもオルガンも生き返ったようにファンクしてます。タイトル・トラックは勿論アイズレーズのカバーですが、これは素晴しい出来です。必聴。

AZTECA / COKE ESCOVEDO

JACKET

AZTECA (72年)

コーク・エスコヴェド率いるアズテカの1枚目。強烈なパーカッション・アルバムです。ジャズやラテンに潜むファンクを全面にフューチャーした、テンションの高い曲が素晴しいです。演奏がうますぎて、きれいにまとまり過ぎてるところはありますが、収録の「ピース・エブリバディ」はスピーディでかっこいいです。

JACKET

PYRAMID OF THE MOON (73年)

アズテカ名義でのセカンド。路線は全作と変わらずで、演奏も素晴しいです。ファンクな曲は1曲くらいで、ラテン・アルバムとしては素晴しいと思いますがファンク度ではファーストの方が上ではないでしょうか。

JACKET

COMIN' AT YA (76年)

75年の「コーク」に続く、ソロでの2枚目。メローな曲も入ってますが、何といってもレアグルーヴ/ラテン・ファンクのクラシック「ラナウェイ」がかっこいいです。ソウルxxソウルがファーストでサンプリングしてます。この曲は必聴です。

THE BEGINNING OF THE END

JACKET

FUNKY NASSAU (74年)

レアグルーヴ・クラシック「ファンキー・ナッソウ」は文句なしにかっこいいです。この曲は是非聴いてください。アルバムとしても半分以上はファンクな曲ですのでファンク好きの方にはおすすめです。オリジナル盤はまだまだ高いので、再発のアナログを買ってください。CDは出てなかったと思います。

JACKET

(76年)

シンセサイザーを使ったりと、少し泥臭さは薄らいでます。この盤はかなり珍しいので、見つけても2万円以上はしてると思います。内容は悪くはないのですが、そこまで出して買うほどのものでもないです。

HERMAN KELLY & LIFE

JACKET

PERCUSSION EXPLOSION(78年)

ヒップ・ホップの定番ネタ「ダンス・トゥ・ザ・ドラマーズ・ビート」収録。どうしてもこの曲だけが話題になりますが、ブラジルとマイアミで録音されたこの盤は、アルバムとしても素晴しいラテン・ファンク・アルバムです。収録の「フーズ・ザ・ファンキー・D.J.?」もかっこいいてす。アナログで再発が出てますので、この盤は必聴です。

JACKET

DANCE TO THE DRUMMER'S BEET

「ダンス・トゥ・ザ・ドラマーズ・ビート」の45回転の12インチで、ディスコ・バージョンです。

INCREDIBLE BONGO BAND

JACKET

BBONGO ROCK (73年)

これもヒップ・ホップの定番ネタ「アパッチ」収録。この盤は捨て曲なしの超名盤です。当時のDJ達にとってブレイク・ビーツというのは、ただのネタとしてではなく、その曲が大好きで思い入れが強くあったんだと思います。大好きで聴き込んだ曲からサンプリングするのと、ネタ探しでレコードを聴いて、そこからサンプリングするのとは根本的に違うと私は思います。アナログの再発が出てますので是非聴いてみてください。必聴盤。

JACKET

THE RETURN OF THE INCREDIBLE BONGO BAND (74年)

これもヤバくてヒップな雰囲気の漂う名盤です。クラヴィネットやオルガンも導入されて、前作より聴きやすくなった分、ファンク度は増してるような気がします。ボンゴ・ファンクとでもいうようなパーカッションの演奏がめちゃめちゃ気持いいです。この盤は残念ながら再発は出てなかったと思います。

Others

JACKET

HAR YOU PERCUSSION GROUP

今回の特集は、この盤を紹介したくてやったと言ってもいいくらい大好きなレコードです。ゲットーのナイト・クラブが目に浮かぶようなヒップな演奏は、文章では表現できないくらいかっこいいです。アフロ/ラテン・ファンクの最高峰といってもいいくらい素晴しいレコードです。アナログ・CDともに再発が出てますので、この辺の音が好きな方は是非聴いてみてください。必聴盤です。

JACKET

AFRIQUE / SOUL MAKOSSA (73年)

チャック・レイニー、デヴィッド・T・ウォーカー、ポール・ハンフリーという強力なメンバーです。ひつこいくらいのワウ・ギターが気持ちいいです。ファンク・ジャズというのはこういうのをいうんでしょうね。「ソウル・マコッサ」もかっこいいのですが、「ハウス・オブ・ライジング・ファンク」のクールで重たグルーヴは鳥肌ものです。ネタとしても有名ですね。

JACKET

THE SOULCIETY / SOUL AIN'T NO NEW THING (72年)

ナイト・ライターズでもおなじみのハーヴェイ・フークワのプロデュース。ラテン・レアグルーヴとでもいうようなサウンドで、タイトなドラムとパーカッションのシンコペイションが腰にきます。決してスマートなどとは言えない音ですが、オルガンやギターなどの楽器がエグイともいえるテンションでグルーヴをさらにうねらせます。かっこいいですね。名盤です。再発は出てませんが、そんなに高くないので買ってみてください。

JACKET

WILLIE HENDERSON & THE SOUL EXPLOSIONS / FUNKY CHICKEN (70年)

ブガルーです。60年代終わりのニューヨークのヤバイ雰囲気が伝わってきます。「ソウルフル・フットボール」はスライの「シング・ア・シンプル・ソング」のフレーズを使ったクールなラテン・グルーヴです。タイトルトラックの「ファンキー・チキン」もソウルフルでいいです。

JACKET

LA CLAVE / LA CLAVE (73年)

これもブガルー、ラテン・レアグルーヴの名盤です。ドラムと数種類のラテン・パーカッションが生み出す複雑なリズムが血を感じます。こんな演奏を聴くと、ピアノもリズム楽器だというのを改めて感じますね。ダニー・ハザウェイ/リロイ・ハトソンの「ザ・ゲットー」もやってます。これも素晴らしい出来です。再発のアナログも出てますので、是非聴いてみてください。

JACKET

RAY TERRACE / HOME OF BOOGALOO

これもブガルーというかラテン・ソウルです。ブラジル音楽も白人系のものとバイーヤなどのアフロ系のものとでは全く違いますよね。ラテンも白人系と黒人系で全く違います。この盤はもちろん黒人系です。といっても実際に演奏している人種を言っているのではなく、あくまでフィーリングです。この盤もオリジナルは高いですが、そういう意味では黒人音楽好きの方も絶対気に入るレコードです。

JACKET

RALPH MACDONALD / SOUND OF A DRUM (76年)

アルバムとしてはわりとメローな曲が多く、76年発表ということでそんなにファンクじゃないです。ただこの盤にはヒップホップ・ネタのクラシック、「ジャム・オン・ザ・グルーヴ」が入ってます。初期のヒップホップシーンではかなりの数のプエトリカン/チカーノが頑張ってたんですが、最近は少なくなりましたね。この曲なんかもネタとして耳に馴染んでしまってるのでヒップホップに聞こえてしまいます。

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