どこが特集やねん! 其の三 アフロ・ファンク2の巻

アフロ・ファンクの3回目です。このページを見てくれている、数少ない方たちは「まだやるか」「ほかにネタないんか」「もうウンザリや」と思ってるでしょうが、ご安心ください。いよいよ完結編です。ということで、今回はアルバム枚数の多い4アーティストを取り上げます。
★音源はYouTubeでタイトルとアーティスト名で検索してみてください。

MANDRILL

THE GREATEST / ORIGINAL SOUND TRACK 77年

いきなりサントラ。でもマンドリルの曲の中で、日本で一番有名なのは間違いなくここに収録された「アリ・ボンバイエ」だろう。アントニオ猪木のテーマの原曲だ。映画自体はムハメド・アリの伝記なのだが、私がこのレコードを見つけたとき、自分の中では全く別物だったファンクと猪木(もちろん両方とも大好き)が一つに交差した。そして「やっぱり猪木は格闘家としてアリを尊敬してたんだ」と感動したのを覚えている。収録曲のジョージ・ベンソンの「ザ・グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」はホイットニーのカバーでリバイバル・ヒットした。

ALI BOMBAYE

アリ・ボンバイエの12インチ。B面は「ザ・グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」

MANDRILL

彼等のテーマ曲とでも言うべき「マンドリル」が最高にかっこいい。この緊張感あふれる曲は、彼等のベスト・トラックではないだろうか。ほかの曲も前衛的なものから、アフロ・パーカッションの曲まで、バラエティ豊かでいい意味でなんでもあり。ジャズ好きの方にもおすすめ。

JUST OUTSIDE OF TOWN 73年

ヒット曲「マンゴ・ミート」収録。3曲のファンク・ナンバーは文句なく素晴しい。マンドリルのアルバムの中では、比較的まとまりのある方で、ミディアム~スローのナンバーも私のようなファンク野郎でも聴ける。この時期以降、くせというかアクが抜けていき、聴きやすくはなるのだが、初期のゴッタ煮感覚がなくなり、ちょっとさみしい。

COMPOSITE TRUTH 73年

INDEPENDENCE / MATATA 74年

SOLID 75年

BEAST FROM THE EAST 75年

MANU DIBANGO

SOUL MAKOSSA 72年

マヌ・ディバンゴの代名詞とでも言うべき「ソウル・マコッサ」収録。アフリカの土着性を残しつつ、緻密に計算されたスタジオ・ワークを駆使したクールなサウンドは独特のかっこよさがある。「ソウル・マコッサ」は数々のミュージシャンにカバーされているが、一様にアレンジや楽器編成がほぼ同じで、"コピー"の範囲を抜けていない。それだけ、オリジナルが完成されたかっこよさを持っているということだろう。

AFRICADELIC 73年

全曲インストで、もともと映画のサントラとして録音されたらしい。音楽性や活動が多岐に渡るため、人によって好きな時代というのは異なると思う。私もそうだが、ファンク好きには70年代後半位までがおすすめ。80年代に入ると、いろんな事をやっていておもしろいのだが、洗練されすぎというか、土着性が薄れちょっと物たりない。

MANU76 76年

AFROVISION 76年

OSIBISA

HEADS 72年

テディ・オセイ率いるオシビサの3枚目。彼等のアルバムの中にはカリブ・ラテン色の強いものもあり、そのへんは私は苦手だ。これは、ばっちり重た~いアフロ・ファンク。ま、好みの問題ですけど。メンバーの出入りが割とあったのと、いろんな音楽を取り入れているところから、アルバムによって雰囲気がちがってたりします。ハイライフの影響も受けているはずなので、カリブっぽいものがあっても不思議はないのですが...。

HAPPY CHILDREN 73年

SUPER FLY T.N.T. / ORIGINAL SOUND TRACK 73年

「スーパー・フライ」の続編として制作された映画のサウンド・トラック。タイトル・トラックのブラック・ムービー特有のドライブ感とインチキくささが、なんとも言えずかっこいい。私はサントラ・マニアでもないし、意識して買ったこともないが、ブラック・ムービーのサントラには、独特のヒップな雰囲気と、いい意味で二流のかっこよさがある。一般のサントラ・マニアには、あんまり人気がないようですが。

OSIBIROCK 74年

WELCOME HOME 75年

「SUNSHINE DAY」収録。

OJAH AWAKE 76年

OLATUNJI

DRUMS OF PASSION 59年

AFRO PERCUSSION 60年

FLAMING DRUMS! 62年

DRUMS! DRUMS! DRUMS! 64年

SOUL MAKOSSA 73年

アフロ・ファンクと言ってしまえるのは、このアルバムぐらいではないだろうか。タイトル・トラック(もちろんマヌ・ディバンゴのカバー)をはじめ、ファンクな曲が勢揃いでソウルファンやDJからも支持されている一枚です。

MORE DRUMS OF PASSION

これもわりとソウルフルです。この人は基本的にアフロの人なので、ファンクにカテゴライズするのは少し無理があるのですが、踊ることによって精神を覚醒・解放する音楽という点で私はファンクだと思います。親指ピアノを使った曲が収録されていますが、その使い方は通常のさわやか系の曲で聴かれるものとは、全く異質な物です。同じフレーズを繰り返すことでテンションを上げていくという、ある意味でヒップホップやハウスに通じるところがあります。

Drum Shots

A.F.R.I.C.A. / STETSASONIC 87年

これは番外編ですが、STETSASONICの12inchにオラツゥンジがフューチャーされたものです。ジェシー・ジャクソンのスピーチで始まるこの曲は、どこまでも重たく、それをオラツゥンジのパーカッションが更にテンションを上げていきます。オラツゥンジのアルバムはほとんどが、アフリカ系なのですが、その中に潜むファンクネスを敏感に感じとったからこそSTETSASONICは彼をリスペクトしたのではないでしょうか。

MIX

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