どこが特集やねん! 其の七 ラテン・ファンクの巻

「どこがラテンやねん」といきなりおこられそうですが、私なりに「ラテン」な臭いのするファンクを取り上げてみました。私のイメージとしてはラテンと言えばパーカッション。コンガ・ボンゴをはじめティンバレスにカウベル。そんなたくさんのパーカッションが生み出すポリリズム。リズム命のファンクバンドにパーカッションが取り入れられていったのも、当然といえば当然の流れですね。60年代末で突然消えてしまったブガルー、ラテンではないかも知れませんが、パーカッションが重要な役割を果たしラテンの臭いも含んでいた80年代ファンク、ゴーゴー。ゴーゴーも今はメインストリームの音楽ではなくなってしまいました。リズムだけで黒人音楽の最も「黒い」部分を追求した音楽は、やはり「商売」にはなりにくいのでしょうか。そんなパーカッシヴでグルーヴィな盤を取り上げてみました。
★音源はYouTubeでタイトルとアーティスト名で検索してみてください。

ラテンと言えば、FANIA、TICO。

アルバムまるまるラテン・ファンクというものは実はないのだが、1〜2曲ファンク好きも納得のかっこいい曲が入ってたりするので気が抜けない。ファンクを探す旅は終わらない。

HECHO y DERECHO DOIN' IT RIGHT / JOE CUBA SEXTET 73年

ジャケ買いしてしまう1枚。必聴は『GIVE US A CHANCE』

PA' LANTE! STRAIGHT! / TITO PUENTE 70年

『HIT THE BONGO』収録。7インチで再発カットもされたかっこいい曲。

latin piper / PACHECO 74年

パチェコはフルート奏者の男性でジャケ写の女性ではない。全体的にラテン・ソウルな感じ。『LAZY FLUTE』がゆるくてかっこいい。

SAINT LATIN'S DAY MASSACRE / JOE BATAAN 72年

バラード系もムード・ラテンのようにならずに、私でも聴ける感じ。アルバムとしてのクオリティも高い。『SHAFT』収録。

ROBERTO ROENA Y SU APOLO SOUND / ROBERTO ROENA 70年

アルバムとしても好きな1枚。『SING A SIMPLE SONG』『SPININNING WHEEL』収録。

love is... seguida / SEGUIDA 74年

ブラックムービーのサントラのような疾走感のある曲が多い。 逆にあまりラテンの匂いはしない、ファニアとは思えない超おすすめの1枚。

I can see / RALFI PAGAN 75年

『OOO BABY BABY』も演っていて、ソウルに寄せてきてるなと思う1枚。『LA VIDA』みたいな曲をもうちょっと演って欲しかった。

Flash and the Dynamics / The New York Sound 71年

FANIA TICOでは一番オススメのアルバム。『EVERYBODY 'S GOT SOUL』は出色の出来。必聴。

FANIA ALL STARS LIVE AT YANKEE STADIUM VOL.2 75年

Go Goと同じようにラテン・ソウルもライブの音楽なんだと思います。マヌ・ディバンゴがゲスト参加の『CONGO BONGO』血が湧きます。

latin soul rock / FANIA ALL STARS 76年

これもヤンキー・スタジアムでのライブ。これもマヌ・ディバンゴ参加で『ソウル・マコッサ』までやってます。サンタナもゲスト参加。

HAR YOU PERCUSSION GROUP / SAME 68年

今回の特集は、この盤を紹介したくてやったと言ってもいいくらい大好きなレコードです。ゲットーのナイト・クラブが目に浮かぶようなヒップな演奏は、文章では表現できないくらいかっこいいです。アフロ/ラテン・ファンクの最高峰といってもいいくらい素晴しいレコードです。アナログ・CDともに再発が出てますので、この辺の音が好きな方は是非聴いてみてください。必聴盤です。

JUNGLE PERCUSSION / SABU AND JUNGLE PERCUSSIONISTS 74年

ベースなどメロディ楽器が全くないパーカッション乱れ打ち。 ただひたすら気持ちいい。

SENOR SOUL

PLAYS FUNKY FAVORITES 68年

このグループについては詳細はわかんないです。このアルバムは、ファンキーなフルートが全面にフューチャーされてるものの、リズム隊もそんなにびしっときてませんし、ラテンなインストですが、ファンク好きは聴く必要はないのではと思います。「パタ・パタ」「悲しいうわさ」のカバーとかやってます。

IT'S YOUR THING 69年

こっちはうって変わって素晴しい盤です。ドラムがめちゃめちゃかっこよくなってます。何かあったんでしょうか。フルートもオルガンも生き返ったようにファンクしてます。タイトル・トラックは勿論アイズレーズのカバーですが、これは素晴しい出来です。必聴。

COKE ESCOVEDO

AZTECA 72年

コーク・エスコヴェド率いるアズテカの1枚目。強烈なパーカッション・アルバムです。ジャズやラテンに潜むファンクを全面にフューチャーした、テンションの高い曲が素晴しいです。演奏がうますぎて、きれいにまとまり過ぎてるところはありますが、収録の「ピース・エブリバディ」はスピーディでかっこいいです。

PYRAMID OF THE MOON 73年

アズテカ名義でのセカンド。路線は全作と変わらずで、演奏も素晴しいです。ファンクな曲は1曲くらいで、ラテン・アルバムとしては素晴しいと思いますがファンク度ではファーストの方が上ではないでしょうか。

COMIN' AT YA 76年

75年の「コーク」に続く、ソロでの2枚目。メローな曲も入ってますが、何といってもレアグルーヴ/ラテン・ファンクのクラシック「ラナウェイ」がかっこいいです。ソウルxxソウルがファーストでサンプリングしてます。この曲は必聴です。

INCREDIBLE BONGO BAND

BONGO ROCK 73年

ヒップ・ホップの定番ネタ「アパッチ」収録。この盤は捨て曲なしの超名盤です。当時のDJ達にとってブレイク・ビーツというのは、ただのネタとしてではなく、その曲が大好きで思い入れが強くあったんだと思います。大好きで聴き込んだ曲からサンプリングするのと、ネタ探しでレコードを聴いて、そこからサンプリングするのとは根本的に違うと私は思います。アナログの再発が出てますので是非聴いてみてください。必聴盤。

THE RETURN OF THE INCREDIBLE BONGO BAND 74年

これもヤバくてヒップな雰囲気の漂う名盤です。クラヴィネットやオルガンも導入されて、前作より聴きやすくなった分、ファンク度は増してるような気がします。ボンゴ・ファンクとでもいうようなパーカッションの演奏がめちゃめちゃ気持いいです。この盤は残念ながら再発は出てなかったと思います。

RAY TERRACE / HOME OF BOOGALOO 68年

ブガルーというかラテン・ソウルです。ブラジル音楽も白人系のものとバイーヤなどのアフロ系のものとでは全く違いますよね。ラテンも白人系と黒人系で全く違います。この盤はもちろん黒人系です。といっても実際に演奏している人種を言っているのではなく、あくまでフィーリングです。この盤もオリジナルは高いですが、そういう意味では黒人音楽好きの方も絶対気に入るレコードです。

WILLIE HENDERSON & THE SOUL EXPLOSIONS / FUNKY CHICKEN 70年

ブガルーです。60年代終わりのニューヨークのヤバイ雰囲気が伝わってきます。「ソウルフル・フットボール」はスライの「シング・ア・シンプル・ソング」のフレーズを使ったクールなラテン・グルーヴです。タイトルトラックの「ファンキー・チキン」もソウルフルでいいです。

LA CLAVE / LA CLAVE 73年

これもブガルー、ラテン・レアグルーヴの名盤です。ドラムと数種類のラテン・パーカッションが生み出す複雑なリズムが血を感じます。こんな演奏を聴くと、ピアノもリズム楽器だというのを改めて感じますね。ダニー・ハザウェイ/リロイ・ハトソンの「ザ・ゲットー」もやってます。これも素晴らしい出来です。再発のアナログも出てますので、是非聴いてみてください。

BOOBIE KNIGHT & THE SOULCIETY / SOUL AIN'T NO NEW THING 72年

ナイト・ライターズでもおなじみのハーヴェイ・フークワのプロデュース。ラテン・レアグルーヴとでもいうようなサウンドで、タイトなドラムとパーカッションのシンコペイションが腰にきます。決してスマートなどとは言えない音ですが、オルガンやギターなどの楽器がエグイともいえるテンションでグルーヴをさらにうねらせます。かっこいいですね。名盤です。再発は出てませんが、そんなに高くないので買ってみてください。

HEY LEROY / JIMMY CASTOR 74年

spanish blues band / willie bobo 74年

BOOGALOO DOWN BROADWAY / THE FANTASTIC JOHNNY C 74年

MIX

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